2012年11月19日

お母さんの話

致知メルマガからのご紹介です。

サンケイの【夕焼けエッセイ】に掲載された、
大阪府岸和田市の西川和子さん(78歳)のお話です。

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私は子供に恵まれなかった。
結婚して15年目に縁があって、義弟の次男を養子として迎えることになった。
生まれて20日目の赤ちゃんを胸に抱き、
馴れない手でミルクを飲ませ、おむつを替えた。

その後も無事に育ってくれて、桜の咲く小学校に入学した。
運動会や保護懇談会にも出席し、親としての喜びを体験させてくれた。

担任の先生は、
「彼が結婚するまで、養子であることを知らせずに成長してほしいと思います」
と言ってくれた。

大学受験の時には深海の魚のように重圧を感じて心配したけど
「桜咲く」結果で心から喜んだ。

その息子は今、39歳を迎え、小学校5年生と2年生の娘の父親として
一生懸命に頑張っている。

私の夫は5年前に世を去り、一人暮らしの私を会社帰りに毎日訪ねてくれる。
「お母さん元気か?寒いから気いつけや」と一言。
私は心を込めて一杯のコーヒーをいれ、息子に黙って差し出す。

13年前息子が結婚する時に、意を決して養子であることを告げた。
突然のことに息子は愕然となり、ぽろぽろと大粒の涙をこぼした。

しかし一晩明けた朝、

「お母さん、昨夜いろいろ考えたけど、僕はやっぱりお母さんの息子だよ。
 今まで通りだよ」

とにっこり笑った。

寒い日も雨の日も毎晩訪ねてくれる息子を玄関まで見送りながら、
その後ろ姿に「ありがとう。年老いた私には、あなたの家族が生きる支えだよ」
と胸いっぱいの感謝を込めて手を合わす。明日もまた頑張ろう。


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